絵画教室@Nandaro
今日はカップを描くことにしました
Kさんの作品
スケッチをしていく時、視点を決めて、そこから動かさない、というのが
とても大事なことなのですが
「もっとよく見たい」と覗き込んでしまい
二つの視点で見たものが同じ絵に入ると、
かち合ってしまうことがあります。
Kさんはそれをよく気をつけて、固定した視線から見るよう努めました。
じっとじっと見つめていくと
今まで見えなかった糸底がチラッと影に見えたり
カップのカーブが手捻りで均一でなかったり
そういう普段見えないものが見えてきます。
Kさんはカップの肌合いの美しさが目に入ったのではないでしょうか
骨組みをざっくりと(けれどもなかなか正確に)描き出して
抹茶色とグレイを大胆に乗せていきました。
まだまだこれは完成ではないのですが
カップの存在感を捉えていると思います。
不思議ですが、時間をかけてもうまくいかない時もあれば
ざっくりとすばやい筆運びでも
プロポーションがちゃんと把握できることもあります。
これまでの積み重ねもありますが
自分の力を信頼し始めたことが大きいのでは、と思うのです。
Yさん
本当は猫ちゃんの絵の続きをされるはずでしたが
なぜか参考にしていた写真が行方不明になり一時停止。
今日はカップを描いていただきました。
本当に一瞬、今まで見ていたのになくなる!と言う
不思議なことがありますよねーー
もうしょっちゅうなのですが
半分くらい、飼い猫の仕業と言うこともあるように思います。
(猫のせいにしている!!??笑)
Yさんはカップの取手の構造に
注視して、側面が背後に回ったりカーブの角度が
意外と鋭角だったり
そう言うものをつぶさに観察して
丁寧に丁寧に描きとっていかれました。
その集中が、カップの立体感をきちんと捉えられたのではないかと思います。
本日は
「アカデミックな描き方」
対して「自分なりの絵」についてなかなか深いところまで
意見を交換いたしました。
私は全ての教室で一貫して思っていることがあります。
「その人が描きたいもの、作りたいものを、自分で作れるようになる」ということです。
自分で教室で発見したり、磨いたりしていただけたら、と思っています。
YさんもKさんもそうなのですが
前は正統派のデッサンを習ってらして
絵を描く時に「間違わないように描く」
これを求められてきました。
なので、デッサンの力はあると思います。
ですが、「これが正解」という判断が
なかなかつかないところが悩みなのだそう。
歪んだり、プロポーションが崩れたり
する絵は不正解と教えられてきた。
けれども私は、それを越えて良い絵があると思うのです。
それは
「この猫のこの顔の可愛さっ!」であったり
「きれいなお花の色❤︎」であったり
または自分の世界で「こう言うものが好き!」であったり
そこには正解も不正解もありませんし
そこに絵の自由があると思うのです。
十分に基礎は学ばれてきてらっしゃるので
これからは「私、これが好き!」を
どんどん絵に表していっていただきたいなあと考えています。
そして、それを一緒に見つけていけたら
こんなに楽しいことはありません。